平成30年度会員インタビュー

2019-04-14

会員インタビュー

平成30年度技修会総会に参加された44期生の松村 智弘さんに近況などのインタビューを行いました

 

高山 昨年の総会には遠方よりご参加いただき、誠にありがとうございました。

松村さんは北海道で技工されていると伺っておりますが、去年、今年と立て続けに起きました地震での被災に謹んでお見舞い申し上げます。

昨年は大規模停電など生活に支障のある深刻な状況だと報道されておりましたが、その後の影響など如何でしょうか。

 

松村 ご心配いだだきありがとうございます。幸いどちらの地震も軽微で済みました。

去年9月の地震では医院の方は当初は高価な機械が棚から落ちるなどしており、大きな損害を覚悟しましたが、幸運にも数万円の部品交換だけで済みました。

札幌で震度6を記録したのは私が知る限り初めてのことで、防災意識が薄かったことを反省するばかりです。

 

高山 やはり大変な思いをされていたんですね。

 

松村 全停電の影響で震災後一週間ほどはコンビニから商品が消えたり、ガソリンが入れられないなど生活面で支障は出ましたが、現在は物流も回復して普段の日常に戻りました。

 

高山 ご無事でなによりです。

いつ起こるか分からない天災は用心に越したことはありませんね。

北海道での技工環境は如何でしょう?

 

松村 この冬は初雪観測が過去最遅で、暖冬でした。局地的には大雪になりますけど、過ごしやすい冬でした。

暖房設備は整ってますが、冬は灯油代がばかになりませんね。

移動は車で職場は室内なので寒いとはあまり感じませんね。

技工やってて良かったと感じる次第です(笑)

冬はお年寄りが通い難くなるので、患者さんも減ります。

札幌特有の義歯事情として、保険でワンピースのメタルフレーム義歯が普通にやられているということがあります。

元北海道大学の臨床教授が精力的に活動されているスタディーグループがあり、一口腔単位でリジットサポートの義歯を推進されていて、札幌のとあるラボから次第に現在のような特殊な環境が広がっていったそうです。

 

高山 札幌の義歯にはそんな事情があるんですね。でもやはりコストの問題もあるのではないでしょうか?

 

 

〜ここより後半〜

 

松村 ご推察の通りです。

札幌のお年寄りはとにかく義歯に関してはワガママで、機能性はもちろん装着感にこだわってきます(笑)

上顎はほぼ無口蓋義歯ですし、義歯が壊れないギリギリのラインで厚みを薄くして、審美や機能、剛性を備えた設計を基本とし、バイトアップするときは、キャップクラスプみたいな装置もつけてます。

ただ、これを他院でラボに外注してやると、えらい技工代を請求されますが、自家の歯科医院ということもあり、自分はそこを逆手にとってほぼ自費の設計の保険義歯をすきなように作らせてもらってます(笑)

材料代も極限まで節約しているので赤字にはなりません。

 

高山 なるほど、院内の強みで工夫されているのですね。

鶴見の学びを存分に活かされてますね(笑)

 

松村 鶴見のキャップクラスプは咬合面がメタルのため、札幌の患者さんには受け入れてもらえないので、自分はチェアサイドでの調整が楽という事もあり硬質レジンを前装してます。

二年後くらいに3Dプリンターを買って義歯製作したいなぁと思ってます。

 

高山 将来も楽しみですね。

それにしても北海道の義歯は非常に高いレベルで驚きました。

 

松村 Dr.が義歯に理解あると歯科技工士のモチベーションにもつながり、歯科技工士続けてくれる人が増えてくれるのかなーと思います。

北海道の技工士は全国的にも珍しく離職率低い統計なんですよね。

だだ給料安いままなのはアカンので、これからはデジタル化推し進めて歯科技工士の労働生産性高めて、ちゃんと家庭持って生活していけて子供にも歯科技工士勧められる環境にしていくのが大切だなと思ってます。

 

高山 本当にそうですね。

最後に、技修会、同窓生の皆さんに何か一言頂けますでしょうか。

 

松村 鶴見で鍛えてもらえたおかげでなんとか一人でもやれるようになりました。皆さま方のご支援感謝いたします。

今年、母校札幌歯科学院より後輩が研修科に進学することになりました。いろいろとご迷惑おかけすると思いますが、よろしくお願い致します。

 

高山 松村さんは院内でお一人と伺っておりましたが、精力的に仕事に向かわれているのだなと感じました。

今後益々のご活躍を期待しております。

 

松村 ありがとうございました。

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